スキップしてメイン コンテンツに移動

小児アレルギー学会に参加して最新情報を色々学んできました!

今日は。
この週末は休診にさせていただき、小児アレルギー学会に参加し勉強させていただきまし。
せっかくなので色々な先生方に学んだこと、感じたことを多少書いておきます。

★やはり乳児湿疹、乳児アトピー性皮膚炎は早めに治そう!

この数年で、乳児湿疹と食物アレルギーとの関係が分かりつつあります。
赤ちゃんの頃に肌が弱くて荒れる方は比較的食べ物に対して体が反応しやすくなり、食物アレルギーが出やすくなるというデータが出てきています。
そして、まだ確定ではないのですが、どうやら皮膚の荒れている赤ちゃんは早めに皮膚をキレイにした方が食物アレルギーが出にくいのでは?という流れになっています。
まだ完全には証明されていませんが、皮膚が荒れている赤ちゃんは(尚更)離乳食の開始時期を遅らせること無くゆで卵の黄身などを比較的早い段階で食べていくこと、そして皮膚をしっかり治療してキレイに保つことにより食物アレルギーが予防できる可能性が高いのです。ただしこれは程度や方法を間違えると危ないこともあるので、皮膚が荒れている、ないし明らかに荒れていた赤ちゃんの離乳食はちゃんと小児アレルギーに慣れている主治医と相談しつつ進めた方が無難です。
当院かかりつけの方は是非相談しながら皮膚をきれいにしつつ少しでも食物アレルギーが出ないように、出ても食べられるものは食べるようにして頑張っていきましょう。

★小児ぜんそくの新しいガイドラインが出ました!

小児喘息のガイドラインは2000年に初版が出て、それ以来数年ごとに改訂、改良させています。
今回は5年ぶりの発刊です。
以前に比べると社会情勢や患者さんの状況など変わっていますし(特に重症の方が減りました)、色々分かってきている事があるのでそれを反映したガイドラインになっています。
当院としても今までの治療と大きな違いはないのですが、薬の使い方や減らし方の順番などはガイドラインを参照しながら少しやり方を修正しようと考えております。
余談ですが、このガイドラインには「患者教育」という章があります。医学のガイドラインで「患者教育」という章があるガイドラインは他に殆どありません。画期的です。
ただ、内容を見るとまだまだ足りないと感じます。
例えば当院の喘息教室やeラーニングなどで皆様に喘息のことをしっかり知っていただくことにより、当院かかりつけの患者さんが普通の生活が無理なく送れるようになるとともに色々なデータを学会や論文で公表し、その結果が例えばこういうガイドラインに反映されるようになり更に多くの患者さんやそのご家族にも貢献できればと密かに?考えています。

★スギ花粉症やダニアレルギーの治療、舌下免疫療法も当院では積極的に行います!

スギ花粉症やダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎などのの根治療法である舌下免疫療法を当院でも行っています。
当院でもたまに副作用が出る方がいらっしゃるのですが、そのような方にどのように対応すべきか講演会やポスター発表などで色々と勉強してきました。
この分野で第一人者の先生の講演では大観衆の前で質問してしまいましたし、学会に参加した時間の半分弱はこの分野の勉強に充てました。
杉やダニの舌下免疫療法は今後開始できる年齢や対象になる(治療できる)患者さんが増えることが見込まれるので、当院でも更に積極的に、効果の出やすい方法で行っていくつもりです。

こんな感じで今回の小児アレルギー学会では色々学んできました。
漠然としか書いていない部分もありますが今回学んできた知識を是非皆様に還元させていただければと考えております。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

コメント

このブログの人気の投稿

2023年インフルエンザワクチン接種につきまして(まとめ)

  今日は。  お盆は明け、日の暮れるのが早くなりつつありますが相変わらずの猛暑が続きます。  幸いお子さんの風邪流行はおさまりつつありますが、大人では新型コロナウイルス感染症の方がかなり増えているようすです。  皆様、体調管理にはくれぐれもお気を付け下さい。  2023年の当院におけるインフルエンザワクチン接種に関して最初に読んでいただく文面がこのページになります。  かなりの長文になりますが当院での接種を希望なさる方は以下の文章を一通りお読みください。(要点はわかりやすい様に色などを使って強調しておきます)  その上で、それぞれの方に該当する内容のリンクを一番下に張ってありますのでそちらにお進み下さい。 ★まとめ まず、当院の2023年インフルエンザワクチン接種のまとめがこちらになります。 2023年10月10日(火)から当院でもインフルエンザワクチン接種を行います! 2022年9月17日(日)8時より 当院Web予約 から受付開始予定 予めインフルエンザワクチンに関する当院HP、ブログを確認し御了解頂いてからの予約をお願いします。 通常の予防接種時に本人や親御さんのインフルエンザワクチンを一緒に接種します!(事前予約制) 通常の予防接種と一緒に、6ヶ月以上のお子さんと親御さん1名 はインフルエンザワクチンを接種可能です! 通常の予防接種枠ではインフルエンザワクチン「のみ」の予約は例外なく当方で予約を取り消させていただきます。繰り返す方はアカウント停止対象となります。 アレルギー外来受診時にインフルエンザワクチンを一緒に接種します! 普段のアレルギー外来受診時にご相談 ください! 多少制約があります。例えば土曜日午後のアレルギー外来では小学生未満の方の接種は行いません。 上記に当てはまらない中学生以下のお子さんは「インフルエンザ単独接種枠」の予約をお願いします。 親子で一緒に接種を希望される方は「インフルエンザ(子ども+親1名)」の項目を予約してください。 親御さんのみの接種は行いません。 当院としてのお勧めの接種回数:2022年と同じです 2歳までの方はインフルエンザワクチンを2回接種することがお勧めです。 3歳から8歳までの方で昨年インフルエンザワクチンを接種していない方も2回接種することをお勧めします。  9歳以上の方、および3歳以上で昨年インフルエンザワ

当院受診に関してのポイント集:まとめ(2023年5月)

  いつも当院を受診していただき、またこのブログをご覧いただきありがとうございます。  十日市場こどもクリニックは2016年5月6日に開院しました。  本日をもって当院は開院して7年が経過し、8年目に突入します。  開院当初から当院を受診してくださった皆様と当院スタッフ、当院関連業者の方々のおかげで何とか7年この地で診療を続けることが出来ました。  改めて感謝いたします。  開院当初は予約無しでも受診可能でのんびり診療をしていた当院ですが、最近はお子さんの風邪の大流行もあり当日予約はほぼ毎日予約開始後数分で一般診療(風邪を引いていない方の外来)、発熱・感染症外来とも満員になることが多いです。平日のアレルギー外来は時間帯によってはまだ余裕がありますが、土曜日午後のアレルギー外来はほぼ限界、パンク状態になっているため新規予約はお断りしている状態です。  幸い予防接種・乳児検診は1ヶ月以内には希望される時間帯の予約が取れる状況です。ただしインフルエンザワクチン接種のある10月〜12月は毎年予約が埋まりやすいのでお気をつけください。  当院としてもなるべく多くの患者さん、出来れば当院受診を希望なさる全てのお子さん、患者さんに適切な医療、対応をさせていただきたいと考えている反面、実際には当院の対応能力には限界があります。  引き続き当院の受診を希望なさる皆様が気持ちよく、そして効率的・効果的に当院を御利用していただくために「当院受診に関しての注意点」を少しずつ改訂し、以下にまとめて記載しておきます。 0. 原則的に当院が責任を持って診察させていただく患者さん ★  中学3年生までのお子さん  ○ 明らかに他の科を受診した方が良さそうな方はWeb問診を確認のうえメールで他院受診をお勧めすることがあります  ※ 高校生相当年齢以上の方は内科受診をお願いします。  ○ 子宮頚癌予防ワクチン、日本脳炎の救済措置などの予防接種は高校生以上でもなるべく承ります ★ 高校生以上で当院アレルギー外来に定期通院されている(=次回のアレルギー外来予約が入っている)患者さん ★ 以下の条件に当てはまる親御さん ○ 食物アレルギーの方 ○ 花粉症、アレルギー性鼻炎があり特に舌下免疫療法をご希望なさる方 ※ 以前は風邪症状のみの親御さんも診察していたのですが、コロナウイルス感染症流行に伴い一時

乳児検診と予防接種を受けましょう!

おはようございます。 今日は休診日なので、昼時の更新です。 これからの時期、梅雨時は喘息発作が出やすくなる方がいらっしゃいます。 咳が1週間以上続いたり、夜に咳き込んで何度か起きてしまう方には受診をお勧めします。 さて、今日は当院における乳児検診と予防接種の話を書いておきます。 当院では月・水・金の14時半から15時半までの1時間を乳児検診と予防接種の時間帯としています。 まず、乳児健診について。 横浜市では「医療機関乳幼児健康診査(無料育児相談)」のシステムがあり、生後12か月(13か月未満)までに3回、無料で乳児健診を受診することができます。 実際には3ヶ月、7〜8ヶ月、1歳頃の3回受診される方が多いです。 当院では乳児検診と予防接種をほぼ同じ時間帯に設定しています。 なので当院では 3ヶ月健診や1歳健診を予防接種と一緒に済ませてしまうことをお勧めしています 。 例えば、まず2ヶ月時にヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンが接種出来るようになります。 そこでお越しいただいた際に一言相談していただければ、4週間後のタイミングで3ヶ月健診と予防接種を同時に済ませることが可能です。 そのタイミングで 予防接種の枠は取れたけど乳児検診の枠が空いていなかった、というかたはご相談いただければなるべく同時に済ませる様に配慮します 。 次に、1歳健診で受診される際も予めご相談いただければ同じ日に麻疹・風疹ワクチンや水痘ワクチンも接種出来ます。 こうすると何度もクリニックに来る手間が省けるので親御さんも本人も楽なのではないでしょうか。 予防接種自体については先生によって色々な考えがありますが、私自身の考えを以下に書いておきます。 現在日本で行われている予防接種ワクチンでは、確かに接種した後に有害な反応が出てしまう方が残念ながらゼロではありません。確かに予防接種は「絶対」安全とは言えません。 一方、現在予防接種が行われている多くの病気はかかったときに取り返しのつかないような後遺症になったり命を落とすことがあり得るものです。予防接種を打たない場合これらの病気にかかる確率が格段に上がります。 現在の予防接種は「 予防接種をしたときの有害な反応はまれに起こりうるけど、予防接種をしなくてその病気にかかる確率と症状の方がはるかに重い、よって予防接種をして