おはようございます。
昨晩から今日にかけて、横浜では雨が降っています。
普段は雨だと傘を差したり通勤に自転車が使えない、面倒くさいな、、、となるのですが、この季節に限ってはうれしい恵みの雨です。
そう、実は院長もスギ花粉症なのです。
1週間前は風邪の治りかけによる蓄膿症(副鼻腔炎)とスギ花粉症がかぶり頭痛が出てしまい薬を飲んでも収まり切れず、半日寝込んでしまったほどです。
しっかり治療したいところなのですが、何せ「医師は自分自身に処方できない」という大原則があるので自分の治療はなかなか出来ず困っています。
この数年、大人だけでなく子供の花粉症が明らかに増えています。
昔より低年齢で子供のうちに花粉症になる方が沢山いらっしゃるので、最早3歳の花粉症は驚きません。
症状は大人とだいたい一緒、眼がかゆくて鼻が詰まって鼻水がずるずる出ることが多いです。
意外と本人は眠れていて元気なことが多いですが、いびきをかいているので隣で寝ている親御さんが困ったり、本人が覚えていなくても夜間に起き出して親御さんが巻き添えを食らって困っている方も多数いらっしゃいます。
院長は小児科専門医かつアレルギー専門医であり、以前よりお子さんと親御さんの花粉症の治療も行っています。
今年は先週から本格的に花粉が飛び始めたため、当院に花粉症の治療をご希望され、または花粉症を疑い来院される患者さんが明らかに増えています。
お子さんは勿論のこと、お子さんのことで手一杯になりなかなかご自身の治療のため他院を受診出来ないという親御さんの花粉症治療も積極的に承っています。
受診するかどうか迷われている方がイメージしやすいように、今回は花粉症の診断、治療の流れを記載しておきます。
いつ頃からどんな症状が出ているか、どんなときに悪くなるのか、昨年も同じような症状があったかなど色々お伺いします。
お子さんの場合特に、風邪がなかなか治らないのと花粉症が出ているのかで見極めが必要になりますが、これは結構難しく小児科医としては腕の見せ所になります。
先週の私のように両方がかぶることも結構あります。
証拠固めのため、体がスギやヒノキ、ダニなどに反応しているかどうか診るために採血を行うことも多々あります。
ただ、花粉症を疑ってもその場で全員に採血を行うわけでは決してありません。特にお子さんの場合その場で採血する、いきなりチックンすると言われたら嫌がるに決まっています。
確かに早めに診断をしっかりつけた方が話が早いので基本的には一度は採血しておくことをお勧めしますが、花粉症も疑うけどどちらかというと風邪、蓄膿を疑ったりお子さんや親御さんがいきなり採血はちょっと、、、ということであれば、先に試しに治療して効果を確認してから証拠固めの採血をすることも多いです。
採血結果が出るまでには1週間かかりますので、早めに診断をつけたい場合は早めの段階での採血をお勧めします。
また、スギ花粉症の場合はだいたい2月下旬から4月下旬まで続くことが多いです。つまりゴールデンウィーク頃には漸くスギ花粉症から解放されることになります。
この時期になっても症状が残っていたり、他の季節にも症状が出ている場合は他の花粉やダニが原因になっている可能性があります。
診断がつくまでは1,2週間に1回、診断が確定して効く薬が分かれば月1回程度の受診を目安にしています。
年齢にもよりますがシロップ、粉薬、錠剤(飲み込む薬となめる薬)を使い分けています。
眼がかゆいお子さんには目薬を処方します。親御さんが頑張れば目薬は使えることが多いですし効果も十分にあります。一部の本当にひどい方、点眼のステロイドをずっと使わなければいけない方に限っては眼科の先生に治療ををお願いすることもあります。
おおきなお子さんや大人であれば点鼻薬がかなり効きますので積極的に使います。ただし点鼻薬は経験上小学生くらいまでのお子さんは嫌がることが多く、なかなか続けられないことが多いです。よって小学生までは基本は飲み薬、症状が強いときに点鼻薬を使っていただくようにお話ししています。
ただ、残念ながらこれらの薬は症状を和らげる、抑える効果はありますが抑えきれないことも結構あります。上記の薬はいずれも根本的に治す薬ではありませんので、毎年例外なく2月下旬から4月下旬に症状が出てくるとその度に眼がかゆい、鼻が詰まって集中出来ないと言いつつ薬を使うことになります。
昔からある花粉症や鼻水止めの飲み薬は眠くなることが多く、その結果集中力が落ちることがあります。ポララミン、ペリアクチン、ザジテン(ケトチフェン)という薬が代表的です。
専門用語ではインペアード・パフォーマンスと言いますが別称の「鈍脳」という呼び方が分かりやすいです。しかもこの作用はご自身では気づきにくく、親御さんからみても何となく鈍いのが気になるけどそのまま何となく様子を見ている、という事が多いです。
また、眠くなりやすい薬を痙攣持ちのお子さんが使うと痙攣を起こしやすくなることも知られています。今まで痙攣したことがないお子さんでも痙攣しやすくなる可能性があります。
当院では患者さんや親御さんのためにも必要以上に薬を使わない、使うとしてもなるべく副作用を起こしにくい薬、できる限り眠くならない薬を使うようにしています。
十日市場周辺地域の方で上記の話が気になる、思い当たりがある方は是非お気軽に御相談ください。
花粉症は花粉に対して反応するわけですから花粉となるべく触れない、特に自宅に花粉をなるべく持ち込まないようにする方が良いわけです。
お子さんの外出中はやむを得ないと思いますが帰宅したら玄関で上着をはたく、顔を洗う、可能であればお風呂を浴びてまるごと花粉を洗い流してから洗ってある服に着替えると症状は和らぎます。
また、洗濯物や布団を外で干したり外ではたくとその分花粉が大量につきますのでなるべく室内で済ませた方が良いです。
個人的には空気清浄機もある程度有効だと判断しています。
これが一生続くのかと思うととても憂鬱です。
一方、喉元過ぎれば熱さを忘れるとは良く言われますが、実際にゴールデンウィークになり症状が治まり6月頃にはあの眼のかゆさ、鼻詰まりの苦しさなどつらかったことはすっかり忘れてしまう方が多いのではないでしょうか。
ところで、最近ではお子さんでも花粉症の根本的な治療、免疫療法が出来るようになりました。
全員ではないですが頑張って続けていただければかなりの方に有効ですし、今年からはだいたい5歳以上の方であれば当院で治療することが出来る様になります。
また、当院通院中の患者さんの親御さんでも御相談いただければ治療が可能ですし、既に治療を開始し通院されている親御さんもいらっしゃいます。
以下、簡潔にポイントを書いておきます。
★ まずスギ花粉症であること、他の花粉が悪さしていないことを確認する必要があります。そのためには採血検査の結果確認が必須となります。
★ 6月から12月の間であれば開始可能ですが、出来れば4月から5月のうちに予め御相談いただけると助かります。
★ 開始前に十分に治療内容をご理解いただくことが必須になります。事前に説明資料をお渡しし、必要であれば説明させていただきます。
★ 初めて治療薬(シダキュア、シダトレン)を処方し使用する日は治療内容を十分に理解していただいているか確認させていただいたうえ処方させていただき、処方された薬を院内に持ち帰って使用していただき、30分間以上副作用が出ないことを確認する必要があります。
ただ、院長は食物アレルギーの専門家でありアレルギー症状出現時の対応は慣れていますのでご安心ください。
昨日もそこそこ重症なアレルギー反応、アナフィラキシーで受診された急患のお子さんの対応を当院でさせていただきました。
つまり、治療を開始する日の診察は2〜3時間を要しますので予めご了承ください。(この時はなるべく完全予約制のアレルギー外来の枠を使っています)
★ 治療期間としては3年以上続けること、毎月1回当院を受診していただくことが必要になります。
そのため、この治療に関しては自宅から余り遠すぎないクリニックで行うことをお勧めしています。
初回と異なり問題が無く順調であれば診療時間はかなり短くて済みます。
★ 治療を開始したからといってすぐに効果が表れるとは限りません。2年目、3年目と薬が効いている方が徐々に増えていきます。
以上、スギ花粉症の根本治療にご興味のある方は是非「スギ 免疫療法」で検索してみてください。
なお、今回は詳しく触れませんでしたが1年中鼻炎などの症状が出ているダニアレルギーの方の治療もスギとほぼ同様になりますし、当院で多くのお子さんが既に治療を開始しています。
因みに2019年2月現在でスギやダニの免疫療法を行っている十日市場駅前周辺のクリニックは当院のみです。
(だから私自身は免疫療法をしたくでも出来ずに困っています。)
ということでかなり長文になりましたが、十日市場周辺地域でスギ花粉症を疑うお子さんと親御さんは、当院で専門家による診断や治療が可能です。
是非気軽にご来院、御相談ください!
昨晩から今日にかけて、横浜では雨が降っています。
普段は雨だと傘を差したり通勤に自転車が使えない、面倒くさいな、、、となるのですが、この季節に限ってはうれしい恵みの雨です。
そう、実は院長もスギ花粉症なのです。
1週間前は風邪の治りかけによる蓄膿症(副鼻腔炎)とスギ花粉症がかぶり頭痛が出てしまい薬を飲んでも収まり切れず、半日寝込んでしまったほどです。
しっかり治療したいところなのですが、何せ「医師は自分自身に処方できない」という大原則があるので自分の治療はなかなか出来ず困っています。
この数年、大人だけでなく子供の花粉症が明らかに増えています。
昔より低年齢で子供のうちに花粉症になる方が沢山いらっしゃるので、最早3歳の花粉症は驚きません。
症状は大人とだいたい一緒、眼がかゆくて鼻が詰まって鼻水がずるずる出ることが多いです。
意外と本人は眠れていて元気なことが多いですが、いびきをかいているので隣で寝ている親御さんが困ったり、本人が覚えていなくても夜間に起き出して親御さんが巻き添えを食らって困っている方も多数いらっしゃいます。
院長は小児科専門医かつアレルギー専門医であり、以前よりお子さんと親御さんの花粉症の治療も行っています。
今年は先週から本格的に花粉が飛び始めたため、当院に花粉症の治療をご希望され、または花粉症を疑い来院される患者さんが明らかに増えています。
お子さんは勿論のこと、お子さんのことで手一杯になりなかなかご自身の治療のため他院を受診出来ないという親御さんの花粉症治療も積極的に承っています。
受診するかどうか迷われている方がイメージしやすいように、今回は花粉症の診断、治療の流れを記載しておきます。
1. 診断、検査
いつ頃からどんな症状が出ているか、どんなときに悪くなるのか、昨年も同じような症状があったかなど色々お伺いします。お子さんの場合特に、風邪がなかなか治らないのと花粉症が出ているのかで見極めが必要になりますが、これは結構難しく小児科医としては腕の見せ所になります。
先週の私のように両方がかぶることも結構あります。
証拠固めのため、体がスギやヒノキ、ダニなどに反応しているかどうか診るために採血を行うことも多々あります。
ただ、花粉症を疑ってもその場で全員に採血を行うわけでは決してありません。特にお子さんの場合その場で採血する、いきなりチックンすると言われたら嫌がるに決まっています。
確かに早めに診断をしっかりつけた方が話が早いので基本的には一度は採血しておくことをお勧めしますが、花粉症も疑うけどどちらかというと風邪、蓄膿を疑ったりお子さんや親御さんがいきなり採血はちょっと、、、ということであれば、先に試しに治療して効果を確認してから証拠固めの採血をすることも多いです。
採血結果が出るまでには1週間かかりますので、早めに診断をつけたい場合は早めの段階での採血をお勧めします。
また、スギ花粉症の場合はだいたい2月下旬から4月下旬まで続くことが多いです。つまりゴールデンウィーク頃には漸くスギ花粉症から解放されることになります。
この時期になっても症状が残っていたり、他の季節にも症状が出ている場合は他の花粉やダニが原因になっている可能性があります。
診断がつくまでは1,2週間に1回、診断が確定して効く薬が分かれば月1回程度の受診を目安にしています。
2. 花粉症シーズン中の治療
お子さんの場合、主に飲み薬を使います。昔は眠くなる薬が多かったのですが、今ではお子さんでも使いやすく効果もあり眠くならない薬がたくさん出てきましたので、なるべく眠くならない薬を使うように心がけています。年齢にもよりますがシロップ、粉薬、錠剤(飲み込む薬となめる薬)を使い分けています。
眼がかゆいお子さんには目薬を処方します。親御さんが頑張れば目薬は使えることが多いですし効果も十分にあります。一部の本当にひどい方、点眼のステロイドをずっと使わなければいけない方に限っては眼科の先生に治療ををお願いすることもあります。
おおきなお子さんや大人であれば点鼻薬がかなり効きますので積極的に使います。ただし点鼻薬は経験上小学生くらいまでのお子さんは嫌がることが多く、なかなか続けられないことが多いです。よって小学生までは基本は飲み薬、症状が強いときに点鼻薬を使っていただくようにお話ししています。
ただ、残念ながらこれらの薬は症状を和らげる、抑える効果はありますが抑えきれないことも結構あります。上記の薬はいずれも根本的に治す薬ではありませんので、毎年例外なく2月下旬から4月下旬に症状が出てくるとその度に眼がかゆい、鼻が詰まって集中出来ないと言いつつ薬を使うことになります。
※眠たくなる薬に気を付けてください!
余談ですが大事な話なのでここで触れておきます。昔からある花粉症や鼻水止めの飲み薬は眠くなることが多く、その結果集中力が落ちることがあります。ポララミン、ペリアクチン、ザジテン(ケトチフェン)という薬が代表的です。
専門用語ではインペアード・パフォーマンスと言いますが別称の「鈍脳」という呼び方が分かりやすいです。しかもこの作用はご自身では気づきにくく、親御さんからみても何となく鈍いのが気になるけどそのまま何となく様子を見ている、という事が多いです。
また、眠くなりやすい薬を痙攣持ちのお子さんが使うと痙攣を起こしやすくなることも知られています。今まで痙攣したことがないお子さんでも痙攣しやすくなる可能性があります。
当院では患者さんや親御さんのためにも必要以上に薬を使わない、使うとしてもなるべく副作用を起こしにくい薬、できる限り眠くならない薬を使うようにしています。
十日市場周辺地域の方で上記の話が気になる、思い当たりがある方は是非お気軽に御相談ください。
3. 環境整備
花粉症には薬で症状を抑える、和らげることが出来ますが普段の生活でも注意することがあります。花粉症は花粉に対して反応するわけですから花粉となるべく触れない、特に自宅に花粉をなるべく持ち込まないようにする方が良いわけです。
お子さんの外出中はやむを得ないと思いますが帰宅したら玄関で上着をはたく、顔を洗う、可能であればお風呂を浴びてまるごと花粉を洗い流してから洗ってある服に着替えると症状は和らぎます。
また、洗濯物や布団を外で干したり外ではたくとその分花粉が大量につきますのでなるべく室内で済ませた方が良いです。
個人的には空気清浄機もある程度有効だと判断しています。
4. 花粉症シーズンが終わってからの根本的治療:免疫療法
私自身もそうですが、毎年2ヶ月間薬を使っても症状が強いときはつらいです。これが一生続くのかと思うととても憂鬱です。
一方、喉元過ぎれば熱さを忘れるとは良く言われますが、実際にゴールデンウィークになり症状が治まり6月頃にはあの眼のかゆさ、鼻詰まりの苦しさなどつらかったことはすっかり忘れてしまう方が多いのではないでしょうか。
ところで、最近ではお子さんでも花粉症の根本的な治療、免疫療法が出来るようになりました。
全員ではないですが頑張って続けていただければかなりの方に有効ですし、今年からはだいたい5歳以上の方であれば当院で治療することが出来る様になります。
また、当院通院中の患者さんの親御さんでも御相談いただければ治療が可能ですし、既に治療を開始し通院されている親御さんもいらっしゃいます。
以下、簡潔にポイントを書いておきます。
★ まずスギ花粉症であること、他の花粉が悪さしていないことを確認する必要があります。そのためには採血検査の結果確認が必須となります。
★ 6月から12月の間であれば開始可能ですが、出来れば4月から5月のうちに予め御相談いただけると助かります。
★ 開始前に十分に治療内容をご理解いただくことが必須になります。事前に説明資料をお渡しし、必要であれば説明させていただきます。
★ 初めて治療薬(シダキュア、シダトレン)を処方し使用する日は治療内容を十分に理解していただいているか確認させていただいたうえ処方させていただき、処方された薬を院内に持ち帰って使用していただき、30分間以上副作用が出ないことを確認する必要があります。
ただ、院長は食物アレルギーの専門家でありアレルギー症状出現時の対応は慣れていますのでご安心ください。
昨日もそこそこ重症なアレルギー反応、アナフィラキシーで受診された急患のお子さんの対応を当院でさせていただきました。
つまり、治療を開始する日の診察は2〜3時間を要しますので予めご了承ください。(この時はなるべく完全予約制のアレルギー外来の枠を使っています)
★ 治療期間としては3年以上続けること、毎月1回当院を受診していただくことが必要になります。
そのため、この治療に関しては自宅から余り遠すぎないクリニックで行うことをお勧めしています。
初回と異なり問題が無く順調であれば診療時間はかなり短くて済みます。
★ 治療を開始したからといってすぐに効果が表れるとは限りません。2年目、3年目と薬が効いている方が徐々に増えていきます。
以上、スギ花粉症の根本治療にご興味のある方は是非「スギ 免疫療法」で検索してみてください。
なお、今回は詳しく触れませんでしたが1年中鼻炎などの症状が出ているダニアレルギーの方の治療もスギとほぼ同様になりますし、当院で多くのお子さんが既に治療を開始しています。
因みに2019年2月現在でスギやダニの免疫療法を行っている十日市場駅前周辺のクリニックは当院のみです。
(だから私自身は免疫療法をしたくでも出来ずに困っています。)
ということでかなり長文になりましたが、十日市場周辺地域でスギ花粉症を疑うお子さんと親御さんは、当院で専門家による診断や治療が可能です。
是非気軽にご来院、御相談ください!
コメント
コメントを投稿