皆さん今晩は。
相変わらず熱が出て当院を受診される方が結構いらっしゃいます。
そして、たまに喘息発作の方も見られるようになってきました。
皆様も体調管理には気をつけてください。
当院も開業して1ヶ月余り経ちましたが、昨日、当院では初めての経口食物負荷試験を行いました。
他にも書きたい内容はあるのですが、今日は予定通り、この「経口食物負荷試験」について書いてみます。
食物アレルギーの診断は「結局食べないと分からない」、言われています。
私も基本的には大いに同意しますが、多少補足説明は必要だと思います。
「食べる」といってもどのくらいの危険性があるかの判断はまだ専門家の領域だと思います。いや、まだ専門家でも意見が異なる可能性が大いにあり得ます。
例えば、自宅で普通に食べるのか、自宅で指定された食べ物を1口恐る恐る食べてみるのか。病院で負荷試験の形で食べてみるのか。それとも明らかに危険だから食べないまま様子を見るのか。
上記の中にももっと細かいさじ加減があります。
怖がりすぎも問題ですが、今時ですと大丈夫と思って食べさせたら全身が真っ赤になってゼーゼーして苦しがるなど重症のアレルギー症状が出て大騒ぎとなる危険性は確かにあります。
医療者の多くは「食べないと分からないのは分かるけど、、、判断が難しすぎる」となってしまいます。
では判断出来る専門医が居る病院、経口食物負荷試験が出来る病院に紹介すれば良いのか、となるのですが経口食物負荷試験を積極的に行っている病院はまだまだ限られています。クリニックであれば尚更です。
経口食物負荷試験が出来る病院でも負荷試験をするまでに3ヶ月待ちというのは良く聞く話ですし、それどころか負荷試験が出来る病院が遠すぎて泊まりがけで行っているという話しもお伺いします。
つまり、多くの地域では経口食物負荷試験のニーズに対して出来る病院やクリニック、出来る件数が全然足りていないのです。
私自身は今まで10年以上の間、(お手伝いしたケースも結構ありますがそれとは別に)自分が主治医として1500件程度の経口食物負荷試験を今まで行ってきました。
特にこの2年間は年間300人前後の負荷試験を行っています。この数は同業者の中でも多い方だとの自信はあります。
今回開業するにあたって、負荷試験が出来る病院が圧倒的に不足している現状に加えて今までの経験を活かして是非経口食物負荷試験はクリニックでも行いたいという強い希望がありました。
クリニックの構造も経口食物負荷試験を無理なく行えるように考えて設計しています。
経口食物負荷試験の簡単なやり方ですが、、、
まず当院にお越しいただき、風邪を引いていないかと必要な持ち物を持ってきているかを確認させていただきます。
問題なければ負荷試験専用の部屋に移動していただき、持ってきていただいた食べ物をまず少し食べてもらいます。
30分様子を見て特に問題がなければ(あっても進めてOKと私が判断すれば)もう少し食べてもらいます。
更に30分様子を見て問題がなければ食べ物の残りを食べてもらいます。
そして2時間症状が出ないかどうかを確認し、症状が出なければそのまま負荷試験終了、帰宅となります。
症状が出た場合、例えば口のまわりが少し赤くなっただけであれば注意深く様子を見つつそのまま、ということもあります。明らかに顔が赤くなってきたり本人の調子が悪くなってきたり(腹痛のことが多いです)吐いたりするようであれば持参の薬を飲んでもらいます。
咳き込んでくるようであれば喘息発作でも使うような吸入を使います。
それでも収まらないような症状、例えば全身が真っ赤になっただけでなく咳が止まらなくてゼーゼーしてきたり本人がぐったりしてきたら(血圧低下の可能性があります)、注射をしたり点滴をした上で大きな病院に紹介することになります。
当院では注射・点滴まで行かない程度の負荷試験をするつもりですが絶対そこまでひどい症状が出ないとは限らないので対応出来るように準備はしてあります。
ということで実際に昨日は経口食物負荷試験を行ったのですが、取りあえず症状が出ないまま無事終了しました。
また、私自身は上記の通り十分な経験がありますが新しい環境での負荷試験となったため、スタッフと色々打ち合わせながら進めていました。おかげさまで今回は負荷試験の段取りも大きな問題がなく無事終了しました。
印象としては、当院でも定期的な経口食物負荷試験は十分に可能との手応えを得ました。更に、もう少し私とスタッフが慣れれば1回に2人以上同時に負荷試験を行うことも十分に可能そうです。
クリニックですと人手とスペースが小規模なので(あと保険点数=報酬が人件費に見合うほどもらえませんので)年間300人ペースはさすがに無理ですが、1回の枠で2〜3人、年間100人〜200人ペースは十分に出来そうです。
上記の通り負荷試験が出来る病院・クリニックはまだ圧倒的に不足しているので、食物アレルギーで悩んでいらっしゃるお子さん、そして経口食物負荷試験をご希望されている患者さんは外来・負荷試験ともまだ混んでいない今のうちに是非受診していただければと思います。
おそらく遠くない将来にはパンクする可能性がありますが、パンク状態になった場合はなるべく十日市場周辺の方、そして診察券番号が小さい(当院に早いうちに受診していただいた)方を優先するつもりです。
経口食物負荷試験については私が考えていることがもう1つあります。
経口食物負荷試験は特別に高価な機械が必要な検査ではありません。
普段家庭で用いられているような道具、それに多くのクリニックに置いてあるレベルの症状が出現したときに対応する薬があれば十分に行えます。
あとはそのクリニックないし病院のシステム、ノウハウの問題です。
当院ではクリニックにおける無理のない経口食物負荷試験のノウハウを積み重ね改善していったら、それを例えば学会発表の形で公開することにより全国のより多くの食物アレルギーの患者さんが経口食物負荷試験を受けられるような体制作りのお手伝いが出来ればと願っています。
そんなことを考えつつ今後も当院では経口食物負荷試験を行っていくことにします。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
相変わらず熱が出て当院を受診される方が結構いらっしゃいます。
そして、たまに喘息発作の方も見られるようになってきました。
皆様も体調管理には気をつけてください。
当院も開業して1ヶ月余り経ちましたが、昨日、当院では初めての経口食物負荷試験を行いました。
他にも書きたい内容はあるのですが、今日は予定通り、この「経口食物負荷試験」について書いてみます。
食物アレルギーの診断は「結局食べないと分からない」、言われています。
私も基本的には大いに同意しますが、多少補足説明は必要だと思います。
「食べる」といってもどのくらいの危険性があるかの判断はまだ専門家の領域だと思います。いや、まだ専門家でも意見が異なる可能性が大いにあり得ます。
例えば、自宅で普通に食べるのか、自宅で指定された食べ物を1口恐る恐る食べてみるのか。病院で負荷試験の形で食べてみるのか。それとも明らかに危険だから食べないまま様子を見るのか。
上記の中にももっと細かいさじ加減があります。
怖がりすぎも問題ですが、今時ですと大丈夫と思って食べさせたら全身が真っ赤になってゼーゼーして苦しがるなど重症のアレルギー症状が出て大騒ぎとなる危険性は確かにあります。
医療者の多くは「食べないと分からないのは分かるけど、、、判断が難しすぎる」となってしまいます。
では判断出来る専門医が居る病院、経口食物負荷試験が出来る病院に紹介すれば良いのか、となるのですが経口食物負荷試験を積極的に行っている病院はまだまだ限られています。クリニックであれば尚更です。
経口食物負荷試験が出来る病院でも負荷試験をするまでに3ヶ月待ちというのは良く聞く話ですし、それどころか負荷試験が出来る病院が遠すぎて泊まりがけで行っているという話しもお伺いします。
つまり、多くの地域では経口食物負荷試験のニーズに対して出来る病院やクリニック、出来る件数が全然足りていないのです。
私自身は今まで10年以上の間、(お手伝いしたケースも結構ありますがそれとは別に)自分が主治医として1500件程度の経口食物負荷試験を今まで行ってきました。
特にこの2年間は年間300人前後の負荷試験を行っています。この数は同業者の中でも多い方だとの自信はあります。
今回開業するにあたって、負荷試験が出来る病院が圧倒的に不足している現状に加えて今までの経験を活かして是非経口食物負荷試験はクリニックでも行いたいという強い希望がありました。
クリニックの構造も経口食物負荷試験を無理なく行えるように考えて設計しています。
経口食物負荷試験の簡単なやり方ですが、、、
まず当院にお越しいただき、風邪を引いていないかと必要な持ち物を持ってきているかを確認させていただきます。
問題なければ負荷試験専用の部屋に移動していただき、持ってきていただいた食べ物をまず少し食べてもらいます。
30分様子を見て特に問題がなければ(あっても進めてOKと私が判断すれば)もう少し食べてもらいます。
更に30分様子を見て問題がなければ食べ物の残りを食べてもらいます。
そして2時間症状が出ないかどうかを確認し、症状が出なければそのまま負荷試験終了、帰宅となります。
症状が出た場合、例えば口のまわりが少し赤くなっただけであれば注意深く様子を見つつそのまま、ということもあります。明らかに顔が赤くなってきたり本人の調子が悪くなってきたり(腹痛のことが多いです)吐いたりするようであれば持参の薬を飲んでもらいます。
咳き込んでくるようであれば喘息発作でも使うような吸入を使います。
それでも収まらないような症状、例えば全身が真っ赤になっただけでなく咳が止まらなくてゼーゼーしてきたり本人がぐったりしてきたら(血圧低下の可能性があります)、注射をしたり点滴をした上で大きな病院に紹介することになります。
当院では注射・点滴まで行かない程度の負荷試験をするつもりですが絶対そこまでひどい症状が出ないとは限らないので対応出来るように準備はしてあります。
ということで実際に昨日は経口食物負荷試験を行ったのですが、取りあえず症状が出ないまま無事終了しました。
また、私自身は上記の通り十分な経験がありますが新しい環境での負荷試験となったため、スタッフと色々打ち合わせながら進めていました。おかげさまで今回は負荷試験の段取りも大きな問題がなく無事終了しました。
印象としては、当院でも定期的な経口食物負荷試験は十分に可能との手応えを得ました。更に、もう少し私とスタッフが慣れれば1回に2人以上同時に負荷試験を行うことも十分に可能そうです。
クリニックですと人手とスペースが小規模なので(あと保険点数=報酬が人件費に見合うほどもらえませんので)年間300人ペースはさすがに無理ですが、1回の枠で2〜3人、年間100人〜200人ペースは十分に出来そうです。
上記の通り負荷試験が出来る病院・クリニックはまだ圧倒的に不足しているので、食物アレルギーで悩んでいらっしゃるお子さん、そして経口食物負荷試験をご希望されている患者さんは外来・負荷試験ともまだ混んでいない今のうちに是非受診していただければと思います。
おそらく遠くない将来にはパンクする可能性がありますが、パンク状態になった場合はなるべく十日市場周辺の方、そして診察券番号が小さい(当院に早いうちに受診していただいた)方を優先するつもりです。
経口食物負荷試験については私が考えていることがもう1つあります。
経口食物負荷試験は特別に高価な機械が必要な検査ではありません。
普段家庭で用いられているような道具、それに多くのクリニックに置いてあるレベルの症状が出現したときに対応する薬があれば十分に行えます。
あとはそのクリニックないし病院のシステム、ノウハウの問題です。
当院ではクリニックにおける無理のない経口食物負荷試験のノウハウを積み重ね改善していったら、それを例えば学会発表の形で公開することにより全国のより多くの食物アレルギーの患者さんが経口食物負荷試験を受けられるような体制作りのお手伝いが出来ればと願っています。
そんなことを考えつつ今後も当院では経口食物負荷試験を行っていくことにします。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
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