今晩は。
6月中は風邪を引いている方が少ないようでしたが、最近少し風邪の方が増えている気がします。
体調管理にはくれぐれもお気を付け下さい。
さて、この週末に参議院選挙が行われます。
成人の国民は皆様の意思を表示出来る貴重な機会です。
予めお断りしておきますが、当院は特定の政党を推すつもりは全くありません。
その一方、地域の小児科クリニックの院長として思うことがあります。
まず、現時点で今の日本は「子どもと親に厳しい社会」になっているとつくづく感じております。
確かに今の日本でお子さんを産み育てるのは非常に大変な状況だと思います。
現状では出生数が下がり続けるのは十分に理解は出来ます。
特に少子化の傾向はかなり強まっているのを小児科医として肌に感じていますし、知り合いの小児科の先生方も異口同音に仰る状況です。
AIやIT、科学技術がいくら発展しても結局それを使う人が居なくなってしまうとこの国は益々衰退する、自分たちだけでなく子どもたちは将来益々幸せになれないのではないかと強い懸念を持っています。
当院内で最近話題になったのが「病児保育」です。
当院では保育園勤務経験者が複数いるため人的資源としては病児保育が十分可能と読んでいます。
当院近辺、十日市場駅周辺で病児保育に使える候補地は(現時点では)ないわけではありません。
ただ、明らかに採算が合わないのです。
横浜市からの補助金からざっくり概算すると人件費(ランニングコスト)はまだ何とかなりそうですが、設計・内装の費用が昨今高騰しているため補助金だけではとても作れそうにない、作ってもいつまで経っても初期費用(イニシャルコスト)が返せそうにないため二の足を踏んでいる状況です。
横浜市内で病児保育を運営しているところは少なくニーズに合っていないと感じているのですが、その状況に不満を持っている皆様、親御さんやご家族の方はいらっしゃいますでしょうか。
そういう方は今回のような選挙で子どもに優しく、かつ現実的な政策を掲げている候補者に投票していただけると行政も決して無視は出来ないどころか注目してもらえるので、病児保育により力を入れていただき、例えば当院の様に「もう少しで病児保育が出来るんだけど」という施設が実際に病児保育を開始、運営出来る状況に近づきます。
当院の病児保育の話はあくまでも一例ですが、選挙で子どもに優しく、かつ現実的な政策を掲げている候補者、今までに子ども向けの政策で実績にある候補者に投票していただいた方が少しでも「子どもと親に優しい社会」の実現に近づきます。
逆に子どもに対する政策アピールが希薄で実績が無い、つまり軽視している候補者に投票することにより今より日本の子育て環境は更に悪化します。
ましてやご自身が投票せず棄権する行為は「自分やお子さんの将来がどうなっても構いません」というのと同じ意味です。
例えば日本が突然社会主義国家、独裁主義国家になっても構いません、というレベルでしょうか。
(いくらでも例は出せますが文章だと刺激が強いのでほどほどにしておきます)
院長も若い頃は意識していませんでしたので人のことは言えませんが、世代別、立場別の投票率は政策に、そして自分たちだけではなくお子さんたちの未来に直結します。
あとは医療費削減に関する問題です。
確かに工夫次第で削減出来る医療費もあると思います。
複数のクリニックで同じ薬が処方されている、自宅に薬が沢山残っているというのは明らかに医療費の無駄遣いですね。
元々乾燥肌があって保湿剤を使わないと健康が保てないお子さんが当院には多数受診されていますが、親御さんの美容目的に流用するのは流石に医療費の無駄遣いですね。
親御さん自身が皮膚科などを受診して(必要と判断していただき)処方していただく、ないしドラッグストアで購入していただくのが本来あるべき姿だと思います。
ただ、自分の周りを見る限り昨年の診療報酬改定によりかなり運営が厳しくなっているクリニックが多いというのが実感です。
当院も現時点では採算よりも当院にご来院くださる患者さんの将来を重視した医療が継続出来ていますが、更に診療報酬が削られるとちょっと怪しい状況になりかねません。
そして病院はまっとうな医療をするとどうしても赤字が膨らみ、冗談抜きに潰れるところが増えてくる可能性が非常に強い状況です。
機械の老朽化や建物の修繕、建て替えにはとてもお金が回らないという状況です。
元々医療従事者は無理の出来る方が多く、その踏ん張りにより医療は支えられてきています。
(院長はかつて大学院で他分野の優秀な方々をそれなりに見てきたので、大きくは間違っていない自信はあります。)
でも現状が続くようであれば医療従事者はこれ以上献身的な踏ん張りを続けることは出来ません。
最早医療費削減は工夫だけで済む状況ではありません。
最近ですが医師が儲かっているという露骨な動画を作って宣伝している党、候補者がいらっしゃるのも確認しました。
医療費を削減するべきという主張自体はその方の考えなので止めませんが、そういう考えの方の得票数が他の方より多いと、医療の質は間違いなく下がります。
今まで助かっていた人が助からなくなる、健康な生活を送れていた人(お子さんもです)が病気で苦労するようになることが間違いなく増えます。
それでも良いのでしょうか。
逆に今まで通りに健康な生活を多くの皆様が送れるような社会を持続したいのであれば、医療費にもう少し割いていただくことが必要になります。
以上の話は主に大人対象に議論されているところですが小児医療にも十分通じるところです。
ということで、零細小児科クリニックの院長の立場で思うことを書いてみました。
子どもと親御さんに優しい社会になって欲しいのであればその気持ちを代弁してくれる候補・政党に投票しましょう。
そして、良い医療を引き続き受けたいのであれば医療を大事にしてくれる候補・政党に投票しましょう。逆に医療費削減を主目的としている候補・政党に投票するのであれば、その見返りとして皆さんが受けられる医療の質が下がるのを受け入れる覚悟を持ってください。
最後に一番重要だと思うのは、投票権をお持ちの方で自分やお子さんの将来を他人任せにせず自分で決めていきたい方は投票に行きましょうということです。
普段はこういうことを話しませんし書きませんが、さすがに色々思うところがあったので思い切って書いてみました。
乱筆(?)乱文ご容赦下さい。
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