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当院が大事にしていること その2:小児科医はこどもの代弁者です

こんにちは。

当院は現在大型連休をいただいております。

当院受診をご希望なさる患者さんにはこの1週間ほどはご不便をおかけしてしまい大変恐縮です。

昨年はゴールデンウィーク明けからしばらくの間院長がかなり多忙になってしまい(該当期間の記憶がほとんどありません)、その挙げ句に7月下旬にダウンして臨時休診でご迷惑をおかけしてしまいました。

その反省もあり今年は思い切って当院はゴールデンウィークに思い切ってまとまったお休みをいただくことにしました。

なので確かに長期連休はいただいているのですが、その間に遠方に旅行に行っているわけでは決してありません。

大半の日は自宅、たまにクリニックやカフェなどで溜まっているデスクワークをこなして過ごし始めています。

緑区内で当院以外のほとんどの小児科クリニックは暦通り診療を行ってくださっています。

体調がよろしくないお子さんは無理せず他院の受診をお勧めします。

ちなみに毎年以上に4月は保育園や幼稚園に入って風邪を引き始めた患者さんにご来院いただきましたが、例年よりは少し穏やかな印象でした。

すぎ花粉症の飛散具合も結果的に昨年ほどではなかったようです。


さて、当院の診療で大事にしていることの続きを書こうと思いながらなかなか筆が進まなかったのですが、まとまった時間をいただいたのでようやく書くことにしました。

第2回は「小児科医はこどもの代弁者です」という内容です。


第1回に記載したとおり、当院では患者さんの今だけでなく将来を見据えた治療を行っています。

今は(親御さんにとって)大した問題に見えないとしても小児科医の視点からすると将来このままではまずい、後遺症で将来お子さんが余計な負担、病気を背負う可能性がある状況を目にすることがあります。


例えば赤ちゃんの皮膚が多少荒れているのを親御さんから見るとちょっと赤い、ちょっと機嫌が悪い程度にしか思わないかも知れません。

でも分かっている小児科医、アレルギー専門医からすると「将来本人が困るアレルギーのもと」であり、しっかり治療をすべき状態なのです。

親御さんが今、あと数ヶ月でも1日2回、ティッシュが張り付くくらいべったりステロイドや保湿剤を頑張って塗って皮膚をきれいにしてくれればお子さんは将来色々なアレルギーで困る可能性が減るのです。


親御さんにも他にすべきことが山ほどある、仕事や家事もあり色々苦しい時期なのは重々承知していますのでこちらの考えのみをおしつける、ただ注意するのみにはしないように心がけています。

かといって荒れている将来のある赤ちゃんの皮膚をそのままにしておくわけにはいきません。

赤ちゃんからの「お父さんお母さん、今もう少し頑張ってくれればぼく(わたし)は病気に苦しまず健康にいられるんだよ」という、見えない言葉を代わりに小児科医の立場からお話し、代弁させていただきます。

そして、どのように親御さんが頑張れば赤ちゃんの皮膚をもっときれいに出来るか、現実的な改善案をご相談させていただきます。結果的に今よりもっと強力な薬を使うこともありますし(当然薬の副作用で将来本人が困らない程度ですが)、親御さんの塗り方を修正させていただくこともあります。

同様のパターンで多いのは食物アレルギーがあって定期受診しないご家庭、小学生以上になっても時折喘息発作を起こしているのに定期通院されないご家庭がすぐに思い浮かびます。


親御さんやお子さんへのお話のしかたには当方なりにかなり気を付けていますが、結果的に多少強めの話し方、注意をさせていただくこともあります。

受診したのに色々言われてしまい傷つく親御さんもいらっしゃるかもしれません。

逆にお子さんが将来困る状況が目に浮かぶのに親御さんに当たり障りのないことをお話しして放置するのは(ビジネスとしてはともかく)こどもの代弁者であるべき小児科医のクリニックとして当院はしない方針としております。

せっかく受診してくださった親御さんの大事なお子さん、赤ちゃんを病気にするのは極力防ぐべき、予防すべきであると当院では考えております。


一方親御さんが心配する割に当方ではさほど心配していないことの代表としては「風邪を繰り返すお子さん」です。

4月から保育園や幼稚園に通い始めると鼻水が出るようになり数日経って咳が出てきて熱も出ることがあります。

お子さんの熱が出てうなって苦しそうにしているのは親御さんとしては確かに心配になる状況だと思います。初めてのお子さんだと更に心配になるのではないでしょうか。

親御さんが心配になる状況でしたらまずは小児科を気軽に受診していただいて構いません。

小児科医は「将来困る可能性がある病気か、すぐにしっかり治療をしなければ行けない病気か、それとも慌てず治り待ちで良いただの風邪か」を見分けるプロです。

治り待ちで良い、自分の免疫力で治せる風邪であれば(中耳炎を繰り返さない限り)基本的にはお子さんの将来にはさほど影響がないことがほとんどです。


そして、当院としては出来れば親御さん自身が「お子さんが調子が悪い時に急いで受診すべきか慌てず様子を見て良いか」をご自身で判断出来るようになってもらう方が良いと考えております。

当院でも2月に「オンライン小児救急教室」を開催しました。

お子さんの調子が悪い時にどうすれば良いか分からない、対応に自信がない親御さんに対してお子さんがすぐ受診すべきかどうかの見分け方についての簡単な勉強会でした。

開催後アンケートで「他の親御さんにもこのオンライン小児救急教室を勧めたいですか?」という質問に全員が「大いに薦める」「進める」というご回答をいただけたので今後も不定期にはなりますが続けていく方針です。

5〜6月は保育園の健診などありなかなか時間が取れないのですが、7月以降の土日ないし祝日に時間が取れればまた開催したいと考えております。


引き続き当院に受診してくださる患者さんと親御さんには当方として最善の対応を努めていきます。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

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